2005年12月5日
英国ロンドンのキングスヘッド劇場で
『HYPNAGOGIA』は誕生し、
私も劇作家としてデビューしました。
本作は国境を超えて様々なキャストによって
上演されてきました。
現在、私は40作近いオリジナル作品を
生み出してきましたが、
この若々しくも情熱的な作品を
もう生み出すことはできないでしょう。
なぜなら、この作品はあの若さで、ロンドンという
場所にいたからこそ書けたものだからです。
では、この二度と書けないであろう作品を、
朗読劇の枠から少し飛び出させてみたら
どうなるだろうか?
その一歩が、音楽監督・村中俊之と実力派俳優の
「歌」による新たな表現であり、
今回“noir”という
新しいプロジェクトの最初の作品として、
『HYPNAGOGIA』をリーディングミュージカル
形式で皆様にお届けする理由です。
「最も贅沢」な音楽朗読劇として
駆け抜けてきた“READING HIGH”。
その逆であるミニマムを攻める“noir”。
最先端を追い続けてきた我々だからこそ、
まだスポットライトが当たっていない、
想像力で補う「noir(黒)の空間」
の追求も考えたい。
煌びやかさの対極にある、シンプルな美しさ、
あるいは究極の“黒”。
今回、新しく生まれ変わる『HYPNAGOGIA』を
どうぞお楽しみください。
原作・脚本・演出・作詞
藤沢文翁
藤沢文翁